近年の主な研究調査

当研究所において、ここ数年に取り組んだ業務について、先駆的あるいは特徴ある業務の内容及び成果をご紹介します。業務に携わった所員の立場からのこだわり、苦労話、PRしたいポイントなどについてもあわせてご覧下さい。

立川市・新庁舎建設市民100人委員会の運営に関する業務【PDF】

立川市では、平成21年度に新庁舎を建設する予定である。新庁舎の建設計画を検討するに当たって、市は市民の意見を積極的に取り入れるべく「立川市新庁舎建設市民100人委員会」(委員長.卯月盛夫早稲田大学教授)を平成15年6月に組織した。本業務は、この市民100人委員会の運営及び提案のとりまとめを行ったものである。

委員会運営上の特徴として以下の点が挙げられる。

  • 7つの分科会の設置
  • インターネットホームページ「市民100人委員会の広場」や電子掲示板の設置
  • 市民100人委員会主催での市民への提案発表会の実施
  • アンケート、意見交換会などを通じて、利用者である職員や議員の意見の反映に努めたこと

仮設市街地研究(復興シナリオにおける<仮設市街地>構築システムの研究・開発)【PDF】

この研究は、文部科学省の大都市大震災軽減化特別プロジェクトの一翼を占める5ヶ年間にわたる研究プロジェクトである。「仮設市街地*」の既往事例、プランニング手法等の検討をおこなうとともに、仮設市街地づくりに関する社会実験を実施し、それらを踏まえて仮設市街地の社会化のためのツール開発をおこなうことをねらいとしている。

*仮設市街地:被災直後の避難生活から、復興後の恒久生活に移行するまでの期間に、被災地内又は至近の場所にとどまり、そこで地域の生活を継続して行うための必要施設がワンセット整えられ、復興までの地域生活が一体的に支えられる市街地

荒川区まちづくり制度策定業務委託【PDF】

荒川区には木造密集市街地が広がっており、狭あい道路に接する敷地が約40%、建築基準法上の道路に接していない未接道敷地が約10%存在する。

こうした木造密集市街地の防災まちづくりを進めるひとつの手法として、建築基準法の連担建築物設計制度を活用し、向う三軒両隣程度の小さな範囲の住民同士により、建替えのルールづくりに基づく協調建替えを徐々に進め、建物の不燃化やオープンスペース(建物間の空き)の創出などの防災環境向上を図る仕組みを検討した。

この検討を踏まえ、「荒川区近隣まちづくり推進制度」及び「連担建築物設計制度認定基準」が策定され、として平成14年6月から運用が開始されている。

世田谷都市整備方針【PDF】

世田谷区は、1985(昭和60)年に都市整備方針を全国に先駆けて策定した。その後、経済情勢の変化や5つの総合支所制度の本格的展開に併せて、1995(平成7)年に、5つの地域ごとの地域整備方針を主体とした「新都市整備方針」として改訂が行われた。

その後、平成7年の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、1998(平成10)年度に防災項目についての内容拡充を行い、2000(平成12)年度には都市計画法に基く都市計画マスタープランとしての位置づけを行い、2003(平成15)年度には計画期間20年の中間点での見直し作業を5つの地域ごとに区民の参加を得て行っている。

ここでは、平成7年の「新都市整備方針」の策定に関する業務の概要を詳しく紹介するとともに、方針策定後の業務の概要についても紹介する。

横浜市中区・長者町4-3地区共同建替事業【PDF】

事業の立上げ前に横浜市が行った当地区を含む関外地域全体での地域整備構想策定に関わり、当地区を含む「山田町・長者町地区住宅市街地整備総合支援事業」の整備計画を策定するなど初期段階からコンサルティングを実施してきました。

当地区に関しては、初期の基本構想・基本計画の策定を実施し、事業化してからは、基本設計、資金計画、等価交換計画、管理運営計画等の策定を実施し、共同建替事業に最初から最後までコンサルタントとして関わってきました。

今後、市街地再開発事業、密集地区での共同建替え等に、この経験を生かしていきたいと考えています。

来るべき震災に備えて-"仮設市街地"を中心に-【PDF】

阪神・淡路大震災からすでに8年。先日久しぶりに神戸を訪れた。神戸の中央部、東側地域では、何事もなかった様に復興を遂げていた。しかし西側地域では、再開発ビルが建設される一方で、少し裏側にまわると空地が多く残されており、震災の痕跡が随所で見受けられた。国全体の経済不況がより強く神戸に影を落としていることもあり、10年での完全復興はおぼつかないと思われた。

本稿では、大震災の記憶の風化が広く進むなかで、私自身が係わった神戸を振り返り、それ以降こだわり続けてきた「仮設市街地」についての考え方の変化、さらには「仮設市街地」を通しての震災の記憶を継承する試みを紹介したい。

東京は近い将来、必ず震災をむかえるとされている。読者が少しでも震災の記憶を思い起こし、いざという時の自らの対応のヒントを得ていただければ幸いである。

大牟田市住宅地区改良事業【PDF】

福岡県大牟田市では、炭坑閉山に伴う炭坑住宅からの退去を迫られている住宅困窮者の為に、住宅地区改良法に基づく「炭坑等地区改良事業」を実施し改良住宅を供給した。

本事業は、複数の小規模な事業地区を同時施行し、改良住宅は1ヶ所に集約建設するなど、いくつかの点で特徴的なものであった。